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出版社と相談した結果、営業政策の都合上と、まだ当時は私が組織の人間だったこともあり、著作権者は「毎日新聞姫路支局」としていますが、取材、執筆はすべて私一人で担当しており、事実上の私の処女作です。 広島県三原市の小さな島にある、「風の子学園」という名の民間施設で、真夏の灼熱の太陽の下、コンテナに閉じ込められて、一組の少年少女が熱死した事件の背景を追ったものです。 当時、亡くなった中学3年の少年が姫路市の出身だったことから、私の取材が始まりました。取材を重ねるにつれて、いかに「教育委員会・学校」という“権力装置”が、受験競争というブラックボックスの中で、「できる子」と「できない子」を選別し、そうした「できない子」が押し出されていった結果、「風の子学園」という民間施設に追いやられたかが、鮮明に浮かび上がってきました。しかし、そうした選別システムは、社会の至るところにあるのが実情です。 いま読み返すと、取材、文章ともに甘い部分もあり、何とも恥ずかしい限りですが、これを通して私は1冊の本を書き切ることの意味と重さを、体で感じ取ったような気がします。ですから、この本を書いていなければ、もしかしたら、“大新聞”というぬくぬくとした組織を飛び出そうとは、思わなかったかもしれません。 |